リフォーム業界で一番注意しなければならないのが塗装業者だと言われています。何故
なら、塗装業者の中には悪徳業者も少なくないからです。一般に外壁塗装は10年前後の耐
久を想定できますが、悪徳業者は塗装前の洗浄で手を抜いたり、塗料そのものを安価なも
のとすり替えたりするため、数年経つと剥がれてしまうことも珍しくありません。工事の
完了時点で見抜くことが出来ればよいのですが、素人にはそれも難しく、結果的に泣き寝
入りしてしまいます。酷いケースを挙げると、100万円に満たない工事に対して、1000万
円を請求されたこともあります。消費者の自己防衛策としては、相場をきちんと調べるこ
とが肝要です。ペンキの価格、人件費、手数料のいずれも相場が存在しますから、インタ
ーネットを利用して勉強して下さい。
 自己防衛策としてもう一つ勉強してほしいことがあります。それは、塗装業界の営業の
実態です。実は消費者の前に現れる営業担当者は、所属する業者に忠実であるとは限りま
せん。契約を自社ではなく、他社に横流しするような人もいるのです。彼らにとって、自
社との労働契約の目的は固定給を得ることに過ぎず、他社の誘いに乗って横流しした方が
、実入りを期待できます。契約1件につき数十万円の報酬が約束されているため、平気で
自社を裏切ってしまうのです。横流しした先の業者が悪徳業者であるかどうかは、彼にと
って興味のない問題ですから、その割を食うのは消費者ということになります。営業マン
は塗装に関する知識も持ち合わせていませんから、細かな相談も期待することが出来ませ
ん。ですから消費者としては、見かけの営業に騙されず、その背後に潜む利権に注意を払
わなければならないのです。

 悪徳業者の特徴として、「飛込み」を営業手段とすることが挙げられます。アポイントの無い状況で、いきなりインターホンを鳴らしてくるのです。対応すると、「ひどい老朽が認められ、放置すると地震で潰れてしまう」などと、不安を煽るようなアドバイスを一方的に伝えてきます。この種の業者が契約を迫っても、決して応じるべきではありません。話術に騙されて捺印しないことが何よりも大切です。また、値引き率が高過ぎるケースも疑ってかかるべきでしょう。典型的なのは、見積り額が予算を超えていると言って断ろうとすると、即座に多額の値引きで粘ろうとする場合です。良心的な業者であれば、初めから妥当な費用を提示してくるはずです。

 悪徳業者を避けようとして、知人の紹介で選定する人もいますが、こちらにもデメリットがあります。工事の出来に不満を感じても、依頼に至った経緯に知人が噛んでいることから、中々クレームを付けることが出来ないのです。お勧めの工法や建材を言われるままに承諾してしまい、予算を超えてしまうことさえ起こり得ます。知人との関係を気にして出費を増やしてしまうのは、賢いやり方ではありません。

 最近はインターネット上の口コミを参考にすることもできるため、事前調査だけは忘れないようにしましょう。

 

 

リフォームの出費は住宅とお店とで勝手が違います。お店であれば、営業休止にともなう売り上げの途絶を考慮しなければなりません。必ず計画段階で当該額を計上するようにしましょう。また、準備資金はローンを組めばよいと楽観している人も多いようですが、店舗リフォームであればローン適用対象外です。中にはリフォームの見積内容に一切の無理が無く、金融機関から融資を受けられるケースも存在しますが、最初から当てにするのは禁物です。運よく決済されれば業者の口座に振り込んでもらえます。

 融資の当てが外れても、分割で支払うことは可能です。分割を選択した場合は、着工の前、リフォーム中、完了後それぞれの段階で入金するのが一般的です。それでも資金繰りに難があるようなら、キッチンの専用機器はリースで賄うことができます。リフォーム業者が仲介していることもあるため、調べてみると良いでしょう。

 資金の調達に成功すれば、いよいよリフォーム業者と工事の中身について相談することになります。業者の多くは予算内で請け負ってくれるので、まず予算を提示することが何よりも大切です。理想を追い始めると際限がなく、業者を困らせて契約そのものが頓挫する羽目に陥ります。予算さえ伝えることができれば業者もプロですから、予算内でどのような工事が可能か、できる限りイメージしやすいように説明してくれるはずです。

提示されたイメージの中から選択する際、外装その他動線に直結する廊下の汚れを無理なく清掃できるよう、十二分に吟味します。リフォームに慣れた人は、この段階で照明の配置にも配慮することができます。照明はお店の清潔感に大きな影響を与えます。縁の下の力持ちである照明を軽んじてはなりません。

 

 

 リフォーム工事が完了した後も、トラブルが発生する可能性は消えません。お店であれば、開店後に問題が生じることもあります。そうした万一の場合に備えて、アフターサービスと図面の読解法についてはきちんと学んでおきましょう。平面図、部分図、正面図、配線図はリフォーム中、頻繁に目を通すことになります。設計会社と打ち合わせる時も必要ですし、陳列棚の位置を確認したり、照明やコンセントの配置を調べたりするのにも用います。ですから依頼内容やイメージと相違ない仕上がりになっているかどうかは、平面図を介して確認することになります。

 アフターサービスについては、大手のリフォーム業者であれば提供されているはずです。通常請求額と見積り額とが著しく異なる場合、綿密に打ち合わせて書類を更新することになります。しかし開店してから日数が経って問題が発生する場合もあるでしょう。そのような時は、アフターサービスを利用します。定期的にメンテナンスしてくれる業者もありますし、部分的に補償してくれることもあります。但し工事が完了してからしばらく経つと、担当者が交代している可能性もあります。ですから契約の時点で、担当が変わっても保証内容は引き継がれることを確認しておきます。

塗装工事に踏み切るタイミングを適当に選択するのは不安を誘います。当然ですが、リフォームや塗装工事の費用は安くありません。資産価値は守らなければなりませんが、メンテナンスのコストは最小限に抑えたいのが消費者の心情です。先ずは塗料の耐用年数と塗料の値段とを勘案して総額を算出するでしょうが、実際の塗装工事費の大半は人件費と足場代で占められます。つまり、多少値段の高い塗料であっても、耐用年数を稼げるものを用いた方が、数十年後に得をする勘定になると言えるのです。ただ問題はそう単純ではなく、外壁以外の箇所、例えば木、鉄、屋根等は劣化スピードが外壁と異なります。外壁の質を長く維持できたとしても、別の箇所が急激に劣化してしまえば、結局短いサイクルで工事を依頼することになり、その場合は安い塗料で間に合わせた方がよいのです。

 ところで塗料の選択は耐用年数のみによりません。外壁塗装用の塗料は、国内では三大メーカーのものがよく使用されますが、目的に合わせて多くの種類が用意されており、事前に勉強しなければ選ぶことができません。業者に全て任せるのも構いませんが、後悔しないためにも多少の知識は蓄えておいた方が無難です。塗料の知識は見積もりの正当性や、工事に手抜きが無いことを確かめる際も、大いに役立つからです。塗料には大別して、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機の5種があります。主な原料は樹脂、顔料、添加剤で構成されており、塗膜を作る樹脂が主成分です。無機のように樹脂として良質なものは値段が高く、耐用年数も長いものがほとんどです。逆にアクリルのように安価な樹脂は使い勝手がよく、気軽に選択できます。