通風や換気がうまく行われたとしても,冷暖房の普及した現代の住まいでは,断熱は必須のものであり ,またそうした環境では,断熱が十分でなければ,結露は防げない。他方,断熱は,極端な温度差をなくすという意味では,結露防止の必須条件ではあるが,そこに「水蒸気の移動を阻止するような防湿層」がないと,結露防止の決め手にならないばかりか,表面結露に対しては有効でも ,断熱材そのものが内部結露を生じさせる原因にさえなってし ま つ。 したがって,一層強固な防湿層を設けて ,内部結露を防止することが必要となり ,さらにはそのための室内に閉じこめられた水蒸気を,換気によっ てより積極的に排出することが求められる。しかし,現代の住まいでは,結露の根本原因ともいえる水蒸気をますます大量に発生させたり ,相対湿度が急に上がるなど,生活の状況や部屋のおかれている状況による結露への影響も大きい。かつてガスストーブは水蒸気を発生させるため,冬の乾燥した空気に自然に湿り気を与えるものとされていたし,今でも石油ストーブの使用の際は,ヤカンをのせて加湿する習慣が定着している。しかし石油ストーブも少なからぬ水蒸気を発生させており結露の被害もこうした誤解によって増大しているともいえる。 確かに,人間の居住環境として気温24度,湿度60 %というのは,健康上適正なものであるかもしれないが,2 4度, 40 %が不健康とはいい切れないし,その差を感じとれる人は少ないであろう。むしろ ,今日の日本の都市では土や緑の不足からくる ,外部空間の乾燥の方が気になる。